「破裂」というドラマを見て思ったこと。無為無策。
「破裂」というドラマを全て見ました。
”香村鷹一郎”という医師が発見した新療法によって、衰弱した心臓が回復する・・・
が、副作用があり一定期間で突然死する。
その療法をめぐっての、架空の国民生活省と香村医師との闘い、というドラマです。
(元は以下の小説です。)
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小説とはいっても、中々日本の将来の危険性を示した興味深いドラマだったと思います。
極端な善と悪のぶつかりあいという、よくありがちな構図ではありますが、テーマが非情に面白い。
現状の日本の医療費は、年1兆というペースで膨れ上がっています。その3分の1を占めるのは、終末期医療といわれています。世界の中でも極端な割合であることは間違いないと思います。
動けない、場合によっては意識の無い患者に対して管を繋ぎ、なんとしても長生きさせる。
逆に、若い世代に対する保証は薄くなる・・・
そんな日本における、極端な解決策として、そもそも終末期の患者の数を減らしてくということを選択する国民生活省の佐久間。
恐ろしいな、と感じたのは、メディアコントロールによってそういった風潮が出来上がっていくシーンで、ここも日本という国の特徴をよく捉えていると思います。
ただ、極端すぎるなと思ったのは、わずか数ヶ月(1〜3ヶ月かな?)で患者が亡くなるようにコントロールしようとしているところで、仮に一時的に政策が上手くいったとしても、数年単位で継続するのは不可能な政策にぱっと見で見えてしまったところです。
例えば、これが1年といった期間でなくなる様にコントロールする、という目論見であれば、真剣に望む患者さんもいそうな、よりリアルな設定だったと思います。
というのも、佐久間自身が、あと9年で国が破裂する!と言っていたからです。数年単位で狙いを定めるのがその設定には沿っていたかな・・・と感じました。
ただ、終末期医療は、今後の高度医療の発展と国民皆保険制度という仕組みによって、さらに増えていくことは間違いありません。
国が長期的にそれを見据えているとは思いませんし、本当に危なくなるまで無為無策を続けていくのかな、と予想しています。TPPによりより税金を投入する仕組みになっていきそうな気もします。(外資というか米国は美味しい部分を逃さないでしょう)
確実に、このドラマの様な論点が出てくるタイミングはあるのでは?と思いますので、見ておいて損は無かったかな、と感じるとともに、小説の方も読んでみたくなりました。NHKという局が放送したのは、反面教師のつもりかな、と苦笑でしたがw